第68章 贈り物について

江北財界は、事実上、三浦会長の一声で動いている。だからこそビジネス界の人間は皆、どうにかして三浦会長に取り入る機会を狙っていた。そして会長の誕生日は、その「取り入る」ための絶好の舞台だ。

江北商会の幹部連中も同じだった。さまざまな肩書きを持つ連中が、こぞってこの機会を逃すまいと目の色を変える。

当然、贈り物も重い。重いどころか、競り合うようにどんどん値が吊り上がっていく。

中でも群を抜いていたのは、年代物の絵画だった。値は1,000万を軽く超える。

一般人の月給では、一生かけても届かない額だ。上流の空気は、下の世界の人間には想像すらできない。

――貧しさは想像力を奪う、とはよく言っ...

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